【 中央に見える山の左側の谷が、今日入渓した谷です。 】
昨日は、福井も一日中雨だった。気温も低く、4月上旬の寒さでした。今日はお天気の予報ですが、渓流は昨日の雨による増水が予想されます。連休中に行ってみたい源流があって、岩魚釣りは出来なくても良いからと出かけた。九頭龍川本流は増水で、薄い濁りも入っていた。途中の支流は、わずかな増水と濃い濁りでした。私が目指した渓流は、思ったほどの増水でなく、水も綺麗だった。
【 車を降りて山道を歩く、30mほどの眼下には渓流が。 】
相変らず、遅い山行きです。車を離れたのは、正午過ぎでした。車が一台駐車してあったのですが、山菜採りの人のようです。足跡は普通の長靴で、渓流用のフエルト底でなかった。しばらく山道を歩く。この渓流の先に、昔2軒の家があった。その人たちの生活道だったせいか、しっかりとした山道です。左手の下には、今日入渓する渓流が流れている。覗いてみると、水量はそれほど多くなかった。
【 ずっと昔、この山道の先に2軒の家があったと聞いた。 】
山道が渓流に交わっている場所から、今日の釣りの開始です。丁寧に釣ってみるのですが、なかなか岩魚の当たりがない。時折掛かって来ても、小型ばかりです。大型は、まったくいない。新旧の足跡はないのですが、どうも釣りきられてしまった感じです。まだ雪があるときに、ここへ釣り人が入ったことが考えられます。それなのに、自分でも不思議なほど心の動揺はなかった。
【 入渓した場所は一枚岩のナメ滝、ここから釣り開始です。】
それは、初めての渓流でワクワクしていたからでしょう。ずっと以前から来たかった渓流で、そこに今立っている自分に十分満足していた。この渓流は源流域になるのですが、とても易しい渓相です。荒れた様子もなく、落ち込みも魅力的なものばかりです。渓流脇は全体に地下水が流れていて、ワサビやコゴミの群生が至る所で見られます。ワサビは丁度花が咲いているところです。
【 源流と言っても入渓者が多く、小型の岩魚が掛かる。 】
今日は気温が20度以上ということで、渓流シューズでの釣行です。足が水に濡れると、冷たさが伝わってくる。雪融けの冷たさで、我慢出来ないくらいです。陸に上がっても、濡れたズボンはなかなか乾かない。高度が高いので、気温が低いようです。それにいつの間にか、曇り空になっています。黒雲もあって、今にも雨が落ちてきそうです。やはり、山の天気は信用できない。
【 比較的やさしい渓流で、岩魚が居そうな落込みが続く。 】
昨日は、北アルプスでたくさんの人達が遭難したそうです。薄着だったので、低体温症による事故だと報じられていた。山は厚着とかして、しっかりとした防寒対策をする必要がある。それと、ブユがたくさん飛び交っていた。まだ攻撃性は持っていないようで、顔や手の周りを飛び交うだけでした。ときどき皮膚に付くのですが、それでも噛んでくることはなかった。でも、防虫網が必要です。
【 相変らず掛かってくるのは、いかつい顔の小型の岩魚。】
静水には、小型の岩魚が定位している。私が姿を見せないと仕掛けに乗るが、姿を見せると決して仕掛けを銜えようとしない。源流の岩魚の特性で、どこの源流でも同じ行動を見せる。少し大きい落ち込みでのことです。流れ出しに仕掛けを投じたが、反応がないので竿を立てて仕掛けを引っ張った。その瞬間、落ち込みから真っ黒な岩魚が突進してきた。尺前後の岩魚だった。
【 渓流の両脇は地下水が豊富で、ワサビとコゴミの群生。】
渓流脇の斜面全体に、沢のような流れがある場所にやってきた。足元の倒木に、キノコが生えていた。立木にも、茶色のキノコがある。私が一番好きな、 『 冬のキノコ 』 です。外国名はウインターマッシュルームと言われるキノコで、日本名は何かご存知ですか?店頭にもあるキノコですが、栽培物と野生では一番大きく異なっていることで有名なキノコです。あのもやしのような、エノキタケです。
【 このキノコの名前は?野生のエノキタケなんですよ。 】
冬雪の下からも生えてくるキノコで、雪の下という異名もあるくらいです。福井の源流では、4~5月ごろよく見られるキノコです。一時期、このキノコに熱中した時があった。どんな日本料理にも合うキノコで、釣りそっちのけでこのキノコを探し回った思い出がある。残雪が残る真っ白な原っぱに、小判でも散りばめたように生えている様に感動したものです。野生のエノキタケをご存知の方は、かなりの渓流マンと言えるでしょう。
【 この落ち込みで納竿、釣った岩魚はここで放流した。 】
釣果は満足のいくものではなく、小型ばかり10匹程度です。時間が午後3時を回ったので、納竿にした。綺麗な落ち込みで、ここで生かし魚籠から手網に岩魚を移した。どの岩魚も元気いっぱいだった。流れに放すと、落ち込みの中へと消えて行った。道具類をリュックに仕舞って帰り支度をしたが、エノキタケを採集する用具だけは手に持った。相変らず曇り空で、辺りも薄暗くなった。
【 結局釣れた岩魚は小型ばかり、入渓者の多い源流? 】
エノキタケを採集していると、下流の方に人の姿が見えた。近づいてみると、山菜採りの老人だった。ワサビの塔 ( 花茎 ) を摘んでいると言っていた。この渓流については良く知っている方で、いろいろと昔のことなど教えてくれた。暗くなると、熊が出てくるとも言っていた。今は熊の怖さよりも、雨が落ちてくる怖さ ( 冷え ) の方が心配です。お礼を言って、先に帰路についた。
【 逆さ富士ならぬ、逆さ荒島岳。田植えが始まった。 】
車に戻って着替えると、少し暖かさが戻ってきた。5月の初旬では、福井の渓流はまだ寒い。日によっては、ウェダーで濡れない対策が必要です。帰りに見る田圃風景は、田植えの真っ最中です。夏が近づくこれからの季節は、稲の成長と歩調を合わせて移り変わって行きます。明日の福井は雨の予報に変わって、連休の晴れ間は今日が最後となった。今日の源流釣りは、寒かった以外は疲れが全く残らない易しい釣行でした。
【 エノキタケは冷凍保存ができるキノコ、今日は瓶詰め。 】
上の写真は、翌日に処理したエノキタケです。雪の中から出るだけあって、冷凍保存ができるキノコです。今回は採集が遅かったので、1瓶だけの収穫でした。
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